税制改正

法人税
1. 税率
中小法人の800万円以下の所得に対する税率は、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間、時限的に18%まで引き下げられていましたが、その措置が平成24年3月31日まで延長されました。
2. 雇用促進税制
一定の事業主が、前年より従業員を増やす等の一定の要件を満たした場合、法人税の税額控除の適用を受けられる制度ができました。
消費税
1. 納税義務の判定 <前回と同じ>
消費税の納税義務は、従来は基準期間(多くの法人では2年前の事業年度)における課税売上高のみで判定されていたため、新設法人については、売上規模に関係なく、設立初年度及び2期目は納税義務が免除されていました。今後、2013年1月1日以後開始する事業年度より、免税事業者の判定要件が厳格化されます。基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、その年の前事業年度開始の日から6ヶ月間の課税売上高(または、給与等支払額)が1,000万円を超える場合には、納税義務は免除されません。
2. 仕入税額控除 <前回と同じ>
改正前においては、課税売上割合が95%以上のときは、支払った消費税の100%控除が可能でした。2012年4月1日以後開始する事業年度より、課税期間の課税売上高が5億円を超える場合には、当該支払消費税の全額控除は認められず、一定の計算式に基づいて計算された限度額に制限されます。
3. 仕入税額控除に関する明細書
改正前においては、還付申告書を提出する際に添付していた「仕入税額控除に関する明細書」は任意添付でしたが、改正後は添付を義務付けられました。また、記載事項についても、見直しが行われます。

社会保険の改正

厚生年金保険の料率の改定
平成23年9月分の保険料より、厚生年金保険の料率が改定となります。
(現行)              (平成23年9月分~)
16.058%(折半8.029%) ⇒  16.412%(折半8.206%)
雇用促進税制
平成23年4月1日から平成26年3月31日までの期間内に始まるいずれかの事業年度(以下、適用年度)において、雇用者増加数5人以上(中小企業は2人以上)、かつ、雇用増加割合10%以上等の要件を満たす企業は、雇用増加数1人当たり20万円の税額控除が受けられます。 この優遇措置を受けるためには、「雇用促進計画」をハローワークに提出することが必要です。
<対象となる事業主の要件>
1. 青色申告書を提出する事業主であること
2. 適用年度とその前事業年度に、事業主都合による離職者がいないこと
3. 適用年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の数を5人以上(中小企業の場合は2人以上)、かつ 、10%以上増加させていること
4. 適用年度における給与等の支給額が、比較給与等支給額以上であること

最近の税制改正による留意事項

法人のカテゴリー
1. 同族会社
株主とその同族関係者をひとつのグループとし、上位3グループが保有する株式などの合計額(合計数)が、その会社の発行済株式等の総数の50%を超える会社のことをいいます。
2. 特定同族会社
同族会社のうち一定の条件に該当する会社は、留保金課税の対象となります。
3. 同族会社
同族会社に該当しない法人をいいます。
規模による分類
1. 中小法人
普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金が1億円以下である法人をいいます。
2. 大法人
中小法人以外の法人をいいます。
3. 中小企業者
中小法人のうち、
A. 同一の大法人に発行済株式総数の1/2以上を所有されていない法人
B. 複数の大法人に発行済株式総数の2/3以上を所有されていない法人をいいます。
中小法人には、税率や交際費の損金算入限度額等の点で、有利な取り扱いがあります。
中小企業者は雇用促進税制等の適用を受けることができます。
交際費5,000円ルール、会議費、福利厚生費についての留意点
1. 交際費5,000円ルールの適用範囲
平成18年税制改正で、一人当り5,000円以下の一定の飲食費は、交際費等の損金不算入対象外となりました。この「5,000円ルール」については以下の要件を全て満たすことが必要ですので、この機会に社内ルールに誤解がないか、再確認をおすすめします。
A. 専ら当該法人の役員、従業員、又はこれらの親族に対する支出には適用されない
法人が従業員に対して支出した飲食費は、一般的には給与等又は福利厚生費等に該当するため、「5,000円ルール」の適用はありません(下記2.参照)。
B. 対象となるのは飲食費として支出した金額である
ゴルフトーナメントへの招待、中元等の贈呈、慶弔金等については適用されません。
C. 当該飲食等につき、一定の事項を記載した書類の保存が必要
2. 会議費、福利厚生費、給与等の区分
上記1. A における、「専ら当該法人の役員、従業員、又はこれらの親族に対する支出」に該当する場合は、以下のような扱いが適当と考えられます。
A. 会議費として取り扱うことが出来るケース
飲食等を伴う会議については、参加従業員が集まることが出来る時間が昼食時に限られる等、当初より飲食を伴うことを想定していなかったことが前提となります。
また、会議に際して供与される飲食等は、通常会議を行う場所における昼食程度の支出であることも必要です。
B. 福利厚生費として取り扱うことが出来るケース
創立記念日、新社屋の落成式等において、従業員全員に一律供与する通常飲食の範囲内であれば、福利厚生費として認められることとなりますが、以下の場合については、交際費(一定の場合には給与)認定されるリスクがあるでしょう
1)法人の記念日や行事と無関係の場合
2)部署が限定されている場合
C. 上記AまたはBの要件を満たさないもの
上記AまたはBの要件を満たさないものについては、(社内)交際費等と処理することが適当と考えられます。また、領収書、請求書が具備されていない場合、特定の従業員への食事提供等については、給与認定されるリスクもあります。

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