|
2005年の税制改正は持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」の構築に向け、2006年税制改正に予定している個人所得課税の抜本的見直しを考慮に入れた内容になっています。ここに掲載したものはその一部であり、弊社のクライアントに関係がありそうな内容を抜粋致しました。
定率減税の縮小
個人の所得税負担の軽減を目的として導入された定率減税の額が引き下げられ、平成18年度分以後の所得税から適用されることになりました。
所得税の20%相当額(25万円限度)→所得税の10%相当額(12.5万円限度)
個人住民税所得割額の15%相当額(4万円限度)→個人住民税所得割額の7.5%相当額(2万円限度)
フリーター課税
1月1日現在、給与の支払を受けていない中途退職者については給与支払報告書の提出義務がありませんでしたが、個人住民税の税負担の公平や税収確保の観点から、中途退職者についても、退職時における住所地に給与支払報告書を提出することとなりました。(平成18年1月1日以後退職した中途退職者から適用)
社保控除
年末調整または確定申告の際、社会保険料については、証明書の添付又は提出は不要とされていましたが、社会保険料控除の対象となる国民年金について、その保険料の支払いをした旨を証する書類を平成17年分以後の年末調整の際に提出または確定申告書の際に添付しなければならないとされました。
欠損金繰り戻し還付制度
平成18年3月31日までの間に終了する各事業年度については、一定の場合を除き、欠損金の繰戻しによる還付の規定は適用されません。この一定の場合のうち、産業活力再生特別措置法の設備廃棄等欠損金額に係る適用除外措置が2年間延長され、平成19年3月31日までとされました。
これにより、還付制度の適用が可能な事業年度は以下のようになります。
| ・ |
中小企業者の設立後5年以内の事業年度 |
| ・ |
産業活力再生特別措置法の設備廃棄をした事業年度 |
| ・ |
解散事業年度等 |
貸倒引当金
公益法人等及び協同組合等の一括評価引当金繰入限度額を16%割り増しして損金算入を認める特例が、平成19年3月31日までの間に開始する事業年度まで延長されました。
非居住者課税の改正
1. 不動産化体株式の譲渡
非居住者又は外国法人は主たる資産が不動産である株式を譲渡した場合はその有価証券の譲渡直前の所在地が日本になければ、課税されませんでした。一方、日本に所在する不動産の売却による所得は非居住者や外国法人であっても課税されます。この不均衡を是正するため非居住者や外国法人が総資産の50%以上が国内にある土地等の株式にかかる譲渡をした場合又は信託財産総額の50%以上が国内の不動産である特定信託の受益権を譲渡した場合には、国内源泉所得として課税されることになりました。
2.
事業譲渡類似課税
非居住者や外国法人が組合を通じて株式を譲渡した場合に、その組合員全体で内国法人の株式を25%以上保有しており、かつその株式を5%以上譲渡した場合には、国外で譲渡が行われた場合でも、課税されることになります。この改正は、国内資産を株式の形で譲渡することによる、租税回避行為を防止するためです。
3.
源泉徴収
民法組合等の組合員である非居住者・外国法人が受ける国内で行う事業から生ずる利益の分配については、20%の源泉徴収が必要になります。ただし、組合以外の恒久的施設を有する場合等については、一定の要件の下、源泉徴収が免除されます。この改正は、本来、各組合員が申告することになっていましたが、実際には申告漏れが多くそれを阻止するためのものです。
法人事業税の外形標準課税制度
| 1. |
対象法人: |
資本金が一億円を超える法人 |
| 2. |
適用時期: |
平成16年4月1日以後に開始する事業年度 |
| 3. |
現行: |
所得金額×税率=事業税額 |
| 4. |
改正: |
[所得割]:所得金額×税率 |
| |
|
[付加価値割]:
(報酬給与額+純支払利子+純支払賃借料+単年度損益)×税率 |
| |
|
[資本割]: (資本金+資本準備金)×税率 |
| |
|
所得割+付加価値割+資本割=事業税額 |
法人事業税の分割基準
| 1. |
対象法人: |
二つ以上の都道府県に事務所または事業所を設けて事業を行っている分割法人 |
| 2. |
適用時期: |
平成17年4月1日以後に開始する事業年度 |
| 3. |
内容: |
(a) 非製造業について、課税標準の2分の1を事務所数により、2分の1を従事者数により関係都道府県に分割する。 |
| |
|
(b) 本社管理部門の従業者数を2分の1に割り落とす措置を廃止する。 |
別表17の3と国外関連者
2005年の4月から国外関連者の適用対象者の範囲が拡大されました。従来は持株関係が直接及び間接的にある法人のみ対象であったものが、実質支配関係も考慮に入れることになりました。また、この改定前に法人税の別表17の3に移転価格算定方法を記載することが求められるようになりました。このような傾向を考えると移転価格問題への対応は国際的な取引を行う企業にとって避けられない問題となっております。最近になってビジネスモデルを変更された企業や何年間も海外の関係会社との契約書を税務的な見地から見直していない企業はその契約が有効であるか親会社等と確認されることをお勧めします。
人材投資促進税制の創設(措置法3年時限措置)―減税!
企業が支払う従業員研修費の額が直前2事業年度の平均を越える場合にはその超える金額の25%相当額の税額控除(当期の法人税額の10%が限度)を認める制度が創設されました。なお、中小企業者等については特例があります。 |